2024年4月30日火曜日

2024年4月23-25日 若狭旅行

昨秋、滋賀県の湖北地域を巡った際に湖北と若狭の近さを実感した。また、若狭の小浜には素晴らしい古刹があることは以前から知っていて一度は訪ねたいと思っていた。そんな折、「小浜八ヶ寺巡り」というサイトを見つけたことから、この八ヶ寺を中心に巡ることにした。

福井県は、北陸新幹線が敦賀まで延伸して盛り上がっているが、東京→敦賀16,760円(所用3時間10分強)に対して、新横浜→米原11,680円(所用約2時間ほど)なので、こちらの方が片道5,000円も安く二人で往復したら2万円も安い。しかも、自宅から新横浜までの所要時間は東京駅までのそれの半分以下。そこで、米原からレンタカーで回ることにした。


4月23日 ほぼ曇り 夜は風雨強し

米原に8時50分頃に到着し、9時過ぎにはレンタカーで出発。北陸自動車道、舞鶴若狭自動車道経由で10時20分頃には三方湖畔に到着した。上空は低い雲が垂れ込めているが、風は殆どなく湖面は鏡のよう。



天候がパッとしないので、美方五湖の観光は最終日に回し、お寺訪問から始めることにした。海岸に沿って小浜方向に30分ほどで羽賀寺に到着。他の七つのお寺は小浜の南~東側にあるのに対して、このお寺だけ小浜の北側に位置している。石段の上にどっしりと構える本堂は室町中期の建立。美しい彩色の残る優雅な十一面観音を拝観。参拝しているのは我々のみで辺りは静まり返っている。



拝観後、道の駅で「さば三昧定食」(とても美味しかった)を食べ、続いて圓照寺を訪問。このお寺は、1444年に大洪水で流された。その時、私財を投じて現在の地に再建するのに尽力された人に配慮して真言宗から臨済宗に改宗したという歴史を持つ。堂々たる大日如来を拝観。このお寺でも拝観者は我々のみ。

次に訪ねたのは圓照寺にほど近い妙楽寺。このお寺は境内が広く大木に囲まれてひっそりと建つ本堂は格調高い。



こちらのご本尊は二十四面千手観音で大変豪華。境内ではエビネやボタンが花盛りだった。境内で見つけた地味な蛾を撮影。ミスジツマキリエダシャクだと思う。



次に多田寺を訪問。こちらのご本尊の薬師如来はお顔がユニーク。実在の人物をモデルにしたかのような親しみのあるお顔(写真は絵葉書のコピー)。



続いて明通寺を訪問。このお寺の本堂と三重塔は共に国宝で、福井県の国宝建造物はここだけ。このお寺の山号は棡山(ゆずりさん)という。「棡」はユズリハのこと。このお寺は、坂上田村麻呂が、蝦夷と戦った際に犠牲となった多くの蝦夷の命を弔うために開山し、その際、ユズリハの大木から薬師如来など三体の仏像を彫らせたとのこと。そのせいか境内にはユズリハが多い。



三重塔への石段の脇にはイワカガミが群生し可愛らしい花を咲かせていた。



最後に国分寺を訪ねたが、住職が不在で拝観は叶わなかった。旧国分寺跡の礎石を囲んで当時の建物の柱の配置が示されていた。夜になって国分寺に電話したところ、今日は会議中で留守にしていたが、明日9時以降なら拝観可能とのことだった。


4月24日 ほぼ曇り 夜は風雨強し

国分寺の拝観開始時刻まで時間があったので、小浜城跡を訪ねることにしたが、駐車場が無く諦めて一旦ホテルに戻り休憩後、国分寺を訪ねた。ご本尊は丈六釈迦如来と言われる堂々たる仏像。ただし、仏殿の壁は隙間が目立ち保存環境は?という感じだった。しかし、この後拝観させてもらった重要文化財の薬師如来像は、立派な薬師堂にきちんと安置されていた。

次に神宮寺を訪問。奥まった場所に堂々とした存在感で実に風格がある。名前からもわかるように神仏習合のお寺で、本堂正面には注連縄が掛けられている。東大寺二月堂のお水取りのお水はこのお寺の閼伽井戸(あかいど)で汲まれ、お水送りの神事後10日かけて二月堂の「若狭井」に届けられる。その閼伽井戸がこれ。



さて、八ヶ寺最後は萬徳寺。このお寺は若狭国主の京極高次から初代若狭藩主の酒井忠勝に引き継がれて完成されたとのこと。立派な庭園がある。本堂で拝観をしていたら存在感のある蛾が畳の上に。撮影して後で調べたらフクラスズメという種類のようだ。



拝観が終わって朱印帳を受け取りに受付に行くと、ご高齢の住職が修正ペンで筆跡を手直し中だった。目が合ったら、少しバツが悪そうな表情をされた。

これで八ヶ寺の拝観は全て完了した。どのお寺もそれぞれ趣があった。

この後、若狭一宮である若狭彦神社と若狭姫神社を参拝してから、鯖街道の熊川宿を訪ねた。ここは京都への交易拠点として発展した宿場町とのことで街並みが綺麗に整備されていた。平日のためか人が少なくやや寂しい雰囲気だった。



4月25日 晴れ

三方五湖レインボーラインに向けて出発。途中、世久見湾の景色が美しい。



駐車場からリフトで梅丈山山頂の公園へ。ここからの三方五湖の景色は素晴らしい。湖面に雲が映る。パノラマ写真を撮ってみた。



観光バスでやってきたお隣の国の団体客が大層賑やかで閉口したが、彼らが下山すると静けさが戻った。山肌の木々は今が芽吹きの季節でとても美しい。



公園の周囲には様々な花が咲いていた。まず、トキワイカリソウ。



ホンシャクナゲはとても華やか。



ニガイチゴ。自宅付近には少ないがここでは至る所に。



ツクバネウツギはなかなか豪華な花を咲かせている。



帰路、昨秋訪れた余呉湖に立ち寄り、米原には2時頃に到着。屋上にイスラエル国旗の六芒星が描かれた駅前の不思議な建物の1階のレストランでコーヒーを飲みながら時間調整し、3時前の東海道新幹線に乗車。名古屋からヒスパニック系の団体客が乗ってきて大変賑やかになったが、彼らは陽気で微笑ましく好感が持てた。

今回の旅行では予想に反して、明通寺以外のお寺では他の拝観者に会わず、熊川宿も殆どの店は休業していて数組の観光客を見ただけだった。静かな旅という点ではとてもよかった。天候を考えて3日目にした三方五湖観光では素晴らしい景色を堪能できた。よい旅だった。 

2024年4月18日木曜日

2024年4月12-17日 近所の緑地、里山

雑木林の下では待望のフデリンドウの花が咲いた。



近くにはニリンソウの群落も。



我家のすぐ傍でアリアケスミレを見つけた。気品があって好印象。



ホタルカズラの花は独特な青色。



アケビの仲間のムベの花はアケビやミツバアケビとは随分様子が違う。



芽吹きが遅いメグスリノキもやっと芽を出した。柔らかな毛を纏った若葉は何とも言えず上品な美しさ。



ヤマコウバシの若葉は銀色の毛を纏っている。その下に黄緑色の花が垂れ下がる。



林下ではホウチャクソウが一斉に咲き出した。



セリバヒエンソウもよく見るとなかなかの味わい。



カラスノエンドウもクローズアップすると美しくて立派なマメの花。



ソメイヨシノの花が散ってウワミズザクラが開花。同じサクラの仲間でも随分違う。



ヒメコウゾも花の季節。雌花が上で雄花が下の女性上位。



畑ではナシが満開。



おまけ:今年も虫の季節が始まった。今年になって初めて撮影した蛾。ウスキオエダシャクという種類。



 

2024年4月11日木曜日

2024年4月7日 小石川植物園 薄曇り→快晴

以前勤めていた会社で一緒に仕事をしたことがあるOさんから1週間ほど前に小石川植物園の散策に誘って頂いた。小石川植物園は初めて。Oさんご夫妻と茗荷谷駅から見事な花盛りの桜並木を歩く。大変な人出の中を歩くこと10分ほどで植物園に到着。歴史ある場所だけあって園内には巨木が生い茂る。

ここのソメイヨシノは、毎年選定されてしまう街中で見かけるものとは別種のように立派。



薬草園ではイカリソウが花盛り。



ゼンマイは生命力があふれる。



ヒメリンゴに似た可憐な花を咲かせている木があった。説明板には学名しか書かれていない。後で調べたらヒマラヤズミという日本名があるらしい。



イロハモミジも花の季節。びっしりと紅色の小さな花が下向きに付いていて葉の緑色と二段重ね。



モチノキの花は黄色いブラシのよう。



白いブラシのような花を付けている木はセイヨウバクチノキ(西洋博打の木)という名前。「博打の木」という名前の由来を調べたら、古くなった樹皮がうろこ状に剥がれ落ちて黄赤色の肌を曝すので、これを博打に負けて身ぐるみ剥がされた人の様子に例えて名付けられたとのこと。何だか変なネーミングだ。



下向きに房状の花をたくさん付けている大木はカジカエデ。



灌木の根元にヒメウズの花を見つけた。半開きの花が多いのに、ここの花は綺麗に開いている。とても小さい花だがなかなか格調が高い。



小さなスミレを熱心に撮影している人がいた。種類を尋ねるとツクシスミレで毎年ここで撮影されているとのこと。後で調べたら、ツクシスミレは九州西南部と沖縄にしか分布していない。ここのツクシスミレは栽培されているのではなく自然に発生したものとのこと。珍しいスミレを観察できてうれしかった。



園内の池ではコサギが食事中。サラサラとした羽が美しい。



ヒヨドリもソメイヨシノで食事中。



おまけ:植物園に隣接した敷地にある古い建物は旧東京医学校本館(重要文化財)。



2024年4月4日木曜日

2024年3月30日-4月3日 近所の里山、緑地

肌寒かったり汗ばむほどだったり気温の変化が激しい。緑地ではニガイチゴとカジイチゴが咲いて、これでこの辺りで見られるキイチゴ類は全て咲いたことになる。

ニガイチゴは気品ある佇まいで好みの種類。



カジイチゴはシワシワの花弁が特徴。



遅れ気味だったソメイヨシノも咲きそろってきた。



ミツバアケビの花も咲いた。



ユスラウメは慎ましい雰囲気。



コブシの花は盛りを過ぎようとしている。



暖かさに誘われて木々の芽吹きが一斉に始まった。コナラの新芽は銀色の柔らかな毛に包まれ色合いも素敵で毎年撮影したくなる



カツラの芽吹きはリズミカルで楽しい。これは雌株で雌花が咲いている。



イヌシデの芽吹きも美しい。



オニグルミの芽吹きは力強い。



それに比べてサワグルミはややおとなしい。



アワブキの芽吹きはぐっと渋く趣がある。



林床ではクサソテツが盛んに新しい芽を出している。螺旋状の造形が見事だ。



エナガの群れが通り過ぎて行った。何とも可愛いらしい。尾羽のデザインも素敵だ。



ビロードツリアブも活動開始。